抄録
本研究の目的は,15分間の課題解決モデルに基づくショートケース会議(Short Case Conference : 以下,SCC)を実施することで,対象児と校内支援体制へ及ぼす効果を検討することであった。対象は小学校1年生の児童1名とその学年の5名の教師であった。SSCは定期的に開催される学年会で実施され,6回にわたって実施された。その中で課題1「授業中,道具で遊ぶ」,課題2「姿勢が悪い」,課題3「片付けが苦手」などについて,原因を推測しブレインストーミングによって解決策を出し合った。その結果,対象児の課題を解決するとともに,対象教師がそのノウハウを他の児童にも生かすことが示された。また実施に対するアンケート結果でも,対象教師がこのSSCを有効であると評価していることから,SSCを定期的に実施することが特別支援教育の支援体制を充実させるとともに教師の意識改革に有効であると考察した。