LD研究
Online ISSN : 2434-4907
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発達障害のある又はその可能性のある中高生のための感情コントロールプログラム「和歌山どんまいプログラム」の開発とその効果
山本 美知子武田 鉄郎小山 秀之宇井 康介
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 26 巻 3 号 p. 327-336

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抄録
発達障害やその可能性がある子どもが思春期になると,周囲との違いや友人関係の難しさから不適応行動を取ることがある。また社会参加をする時に,自己理解や感情コントロールができず,周囲に援助を求められないと適応が困難になる。そこで中高生のうちに同じような悩みを抱える仲間と出会い,感情コントロールを目的に,自分自身を振り返るグループワークの場が必要と考え,平成21年度と22年度にプログラムを開発した。その後,厚生労働省と和歌山県からの委託で県内各地域の福祉事業所が,平成23年度から25年度の3年間「和歌山どんまいプログラム」事業を行った。参加者62名のGHQ28,CBCLの分析をしたところ,社会性の問題やうつ傾向が有意に低下した。またプログラム後のアンケートに「イライラの気持ちがなくなった」等本人自身,保護者から見た本人ともに参加者が変化したという記述があった。このプログラムの実践と効果検証を報告する。
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© 2017 一般社団法人 日本LD学会
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