景観生態学
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調査研究報告
植生景観と温熱データの統計解析に基づく局所的暑熱環境の改善に資する持続可能な都市緑地の創出
大野 啓一唐澤 奈美谷 光清佐藤 裕一佐土原 聡
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2019 年 24 巻 1-2 号 p. 71-82

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抄録

横浜市の「みなとみらい21」地域の「グランモール」地区で実施された都市緑地と温熱環境の関係解析を行った過去の卒業論文の調査資料を見直し,本報では局所的暑熱環境にかかわる温熱指標と効果示数を新たに定量化した.また,以前の都市緑地分類を再点検し,グランモール地区の街路や公園緑地を基本単位である6つの植生景観型に区分した.本研究で得られた様々な温熱データを用いた統計解析で判明した有意関係をもとに,これらの単位は11景観地区の組合せにより5つの主要なグループに分けられた.その結果に基づいて,著者らは各景観区群の構成要素の質的,量的違いによる温熱効果の差異について考察した.さらに,本地域の生育環境に適合し,局所的暑熱環境の改善が期待できる樹種を用いた持続可能な都市緑地の創出方法の幾つかが提案された.

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© 2019 日本景観生態学会
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