保健医療学雑誌
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新型コロナウイルス感染症拡大前後における神戸学院大学総合リハビリテーション学部理学療法学科開講専門必修科目成績の比較
竹中 有村尾 浩
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2021 年 12 巻 2 号 p. 158-166

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抄録

要旨 新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)拡大で大学教育の現場にも甚大な影響を及ぼした.神戸学院大学では,2020 年前期の定期試験が非実施と定められた.COVID-19 拡大前とほぼ同等の教育効果が得られるよう周知されたが,その実態は不明である.本研究の目的はCOVID-19 拡大前後の神戸学院大学総合リハビリテーション学部理学療法学科での開講専門必修科目成績を比較することである. 調査対象科目は,COVID-19 拡大後に開講された令和2 年前期科目のうち,開講されていた年度(令和2 年前期)から過去2 年間において同一教員同一科目名であった15 科目の専門必修科目を調査対象科目とした. 調査対象科目の成績評価分布については調査対象科目15 科目全てで有意差を認めた.調査対象科目の成績点は第3 セメスターで7 科目のうち5 科目,第5 セメスターでは8 科目のうち6 科目で,post COVID-19 群の成績点がpre COVID-19 群の成績点に比較して有意に高値であった.セメスターごとのGPA は,第3 セメスターと第5 セメスターともにpost COVID-19 群のGPA pre COVID-19 群のGPA より有意に高値であった. 多くの科目で成績が高くなっていた.しかし評価基準として評価者の主観的な評価となりやすいレポート課題での成績評価が多くなっており,客観的な試験を実施していた従来と教育方法が異なっていたことを考慮した解釈が必要で ある. COVID-19 拡大後の調査対象の必修科目成績は,COVID-19 拡大前に比べ,

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