日本顎顔面インプラント学会誌
Online ISSN : 2433-5509
Print ISSN : 1347-894X
ISSN-L : 1347-894X
症例報告
インプラント治療後に発生した鼻口蓋管囊胞の1例
山崎 雅人福田 雅幸髙野 裕史
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 16 巻 2 号 p. 81-85

詳細
抄録

 インプラント体周囲に腫瘍が発生した報告は多いが,囊胞が発生した報告は少ない.今回われわれは,インプラント体埋入部に発生した鼻口蓋管囊胞の1例を経験したので,その概要を報告する.

 患者は54歳,女性.2005年,近歯科にて右側上顎中切歯部にインプラント体の抜歯後即時埋入を受けた.2007年,撮影したパノラマエックス線写真とCT画像で,インプラント体先端に囊胞様エックス線透過像を認めた.患者の希望により,インプラント体は温存し囊胞摘出術のみを施行した.病理組織学的診断は,鼻口蓋管囊胞であった.2015年,パノラマエックス線写真とCT画像で囊胞の再発を認めた.患者の同意が得られたため,囊胞摘出術およびインプラント体除去術を施行した.病理組織学的診断は,前回と同じ鼻口蓋管囊胞であった.現在術後20か月が経過し,再発所見なく経過良好である.

著者関連情報
© 2017 公益社団法人 日本顎顔面インプラント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top