医療情報学
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自己情報コントロール権に関する入院患者の認識についての調査
夏目 美貴子太田 勝正
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2007 年 27 巻 6 号 p. 501-510

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抄録
 本研究は,看護師に情報提供をする際に,患者がどのように自分の情報をコントロールしているかの現状とそれに関連する要因を明らかにすることを目的とする.2自治体の8病院の患者204名に対して自記式質問紙調査を行った.その結果,受け持ち看護師に対する情報の提供においては,全般的に抵抗感が小さく,できるだけ詳細な内容の情報を提供している患者がほとんどであることが示された.入院期間や性別などの患者属性,および病院が所在する地域などによる有意差はほとんど見い出されなかった.特性的自己効力感尺度との関係においては,ほとんどの項目について関連がみられず,日本語版HLCのF(家族)という因子について,家族の健康状態,排泄の状態などの項目で関連がみられる程度であった.患者の自己情報コントロール権に関する意識は,次第に高くなっていくことが予測され,その実情を感度良く測定できる尺度を開発するための基礎となる情報が得られた.
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© 2007 一般社団法人 日本医療情報学会
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