医療情報学
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原著-研究論文
  • 種村 菜奈枝, 木村 正吾, 町井 湧介, 長 雄一郎, 柿崎 真沙子, 小野寺 理恵, 漆原 尚巳
    原稿種別: 原著-研究論文
    2019 年 39 巻 2 号 p. 45-60
    発行日: 2019/10/15
    公開日: 2020/10/23
    ジャーナル フリー

     ミス・コミュニケーションが生じる原因として,共通基盤の違いがある.この違いを平準化するため,難解語を特定し,平易化することが重要である.しかし,機能性表示食品の一般消費者向け情報に含まれる難解語を特定するための形態素解析用辞書はない.そこで,形態素解析用辞書の作成およびその精度評価を目的とした.医学または臨床試験用語を収録する10種類の用語集(取得用語数973,895語)を用い,203,095通りの辞書を作成した.その後,機能性表示食品の一般消費者向け情報1,310件からランダムに66件(4.65%)抽出し,作成した全辞書の精度評価を行った(データ取得日2018年7月).その結果,最も再現率が高い辞書(検出数:マニュアル529,MeCab 1,725,精度:適合率0.283,再現率0.924,F値0.434)で,F値は最大0.961となると推定された.今後,さらに実証研究の実施が望まれる.

原著-技術論文
  • 森 信洋, 川原 靖弘, 土屋 智一, 関根 広介, 原 隆雄, 高倉 照彦
    原稿種別: 原著-技術論文
    2019 年 39 巻 2 号 p. 61-72
    発行日: 2019/10/15
    公開日: 2020/10/23
    ジャーナル フリー

     【背景】

     敗血症に対するいくつかの研究がCRRTの浄化量を増加しても死亡率の減少に寄与しないことを示している.この研究の目的は,CRRTデータベースを開発し,敗血症の死亡率を分析することであった.

     【方法】

     本研究のCRRTの浄化量の定義は,標準群:800 mL/hr以下と大量群:801 mL/hr以上とした.主要評価項目は90日死亡率とした.p値<0.05は統計的に有意とした.

     【結果】

     2014年1月1日から2017年12月31日までにICUに入院した患者2,837人のうち31人(1.1%)が,CRRTを必要とする敗血症の適格基準を含んだ.カイ二乗検定では,標準群と大量群間で90日死亡率に有意差はなかった(59%対89%,p=0.24).

     【結語】

     この研究は,敗血症でCRRTを施行した集団群を対象にデータベースを開発することでCRRTの浄化量に対する患者の死亡率を分析した.結論は,CRRTの診療報酬の上限以上の浄化量を増加させても患者の死亡率の上昇を認めなかった.

資料
  • 村上 淳基, 赤羽 学, 中西 康裕, 今井 信也, 玉本 哲郎, 今村 知明
    原稿種別: 資料
    2019 年 39 巻 2 号 p. 73-84
    発行日: 2019/10/15
    公開日: 2020/10/23
    ジャーナル フリー

     日本で放射線治療に使用される装置は,直線加速器(リニアック)が最も多く,今後のがん治療には不可欠である.しかし,高額医療機器であるリニアックの収益性に関する研究はまだ不十分である.本研究では,2014年度にリニアックを導入している一施設あたりの年間収支差を病院規模別,地域別に試算した.さらに,年間収支差の要因について分析した.放射線治療に特化した小規模や大規模な病院では,一施設当たりの年間収支はプラスとなる一方,中規模病院では収支が均衡,あるいはマイナスとなることが示された.また地域別では,一部の都道府県で収支がマイナスとなった.これらの差は,治療患者数および機器の購入費用に起因すると考えられる.今後,放射線治療を受ける患者数はさらに増加することが予想されるため,放射線治療が病院経営に与える影響は大きい.リニアック導入に関しては直接的な収支に加え,化学療法など併用治療による収支に間接的に与える影響や各医療施設での臨床的必要性を総合的に考慮する必要がある.

  • 鈴木 哲平, 田村 菜穂美, 榎本 尚司, 永井 亘, 小笠原 克彦
    原稿種別: 資料
    2019 年 39 巻 2 号 p. 85-98
    発行日: 2019/10/15
    公開日: 2020/10/23
    ジャーナル フリー

     本研究では,地域における糖尿病患者の生活習慣の改善への効果的な支援を行うこと,またその支援の効果指標の提案を目的として,糖尿病患者の「生活習慣の改善意思」に影響を与える因子および地域性の特徴を可視化し,生活習慣の改善によって期待される行動変容の効果について検討した.北海道岩見沢市の2013年度国保レセプトデータの傷病名「2型糖尿病」を有する患者IDと郵便番号,および特定健診データ項目を用いて,地域別ベイジアンネットワークモデルを構築した.都市部のモデルでは「生活習慣の改善意思」に対して,30分以上の運動習慣とBMIが直接的な影響を与えており,地方部のモデルでは,30分以上の運動習慣と20歳からの体重変化,性別,飲酒習慣が直接的な影響を与えていることが示された.また,生活習慣の改善によって都市部と地方部共に,1年間の体重に対して最も影響を与える可能性が示唆された.今後,モデルの妥当性評価を行うことによって,地域性を考慮した健康増進施策の立案および実施への応用が期待できると考えられる.

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