医療情報学
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原著-技術論文
  • 松尾 亮輔, Tu Bao Ho, 池田 満, 田中 孝治, 陳 巍
    2018 年 38 巻 2 号 p. 69-79
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2019/06/26
    ジャーナル フリー

     本研究は,医療文書内の単語を分析目的により階層化した構造を用いて,目的指向の単語の重み付けを支援する汎用的な方法論を検討する.単語分類階層は,論理否定の活用とICD-10コードに対応するランキングの医学関係情報の活用により,単語のカテゴリーをノードとして構成する.目的指向の重み付けのため,単語分類階層を重み付け規則の生成に活用し,カテゴリーに対して分析目的に基づいて重みを与えることで,カテゴリー間の順序関係を捉える.具体的には,単語の階層性とランキングの医学関係情報の活用という単語分類階層の2つの特徴から,3つの重み付け規則を生成し,階層が深く,論理否定に係らない,そして該当するランクが高い単語を分析目的に重要な単語として高い重みを付与した.目的指向の重み付けは,分析目的の1つである死亡予測の実験で有効性が示されたことから,提案する目的指向の重み付け方法論が有効であることが示唆された.本研究ではICD-10コードに対応する単語が分析目的に依存している重要な単語としたが,ICD-10対象外の単語に対しても,分析目的に類似的な依存性を求めるために,機械学習技術を活用することを考察した.本研究で提案した方法論や,重み規則により捉えられる単語のカテゴリー間の順序および単語と重みの辞書は,医療ビックデータ分析による知識獲得支援の促進への貢献が期待できる.

総説
  • 津久間 秀彦, 島川 龍載, 田中 武志, 池内 実
    2018 年 38 巻 2 号 p. 81-104
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2019/06/26
    ジャーナル フリー

     【背景】中国地方の医療情報技師を対象としたアンケートで,6割以上が“医療情報技師の3C”を充分に理解していないことが分かった.【目的】日本医療情報学会を場とした,医療情報技師に関する活動のアクティビティを文献学的調査で把握して今後の課題を明らかにする.【方法】医学中央雑誌,医療情報学連合大会CD-ROM論文集,論文誌「医療情報学」から“医療情報技師”が含まれる文献を抽出し,「マネジメント/3C/存在意義/認知度/資格取得教育/スキルアップ」等に関連する文献を抽出した.更に,医療情報技師育成部会により地域医療情報技師会の立ち上げが推奨されて活動が本格化し始める2011年前後で文献数と内容を比較した.【結果】198編が抽出された.実務に近い資格取得やスキルアップを除くキーワードは,2011年以降ほとんど登場しなかった.また,医療情報技師の必要性等の基礎的研究は不充分であった.【考察】医療情報技師の基本的スキルに関するアクティビティの継承と医療情報技師の価値をアピールできる研究の推進が重要である.

春季学術大会論文
  • 西田 栄美, 神宮司 希和子, 古島 大資, 山本 尚子, 岩尾 友秀, 山田 知美
    2018 年 38 巻 2 号 p. 105-113
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2019/06/26
    ジャーナル フリー

     臨床研究のデータマネジメント業務において,EDCシステムに入力されたデータの品質を確保するため,入力データに対して目視チェックとロジカルチェックを実施している.従来の臨床研究では,目視チェックによりエラー項目を検出するケースがほとんどであった.しかしながら,データ量が多くなるにつれてチェック作業に長い時間を要し,人為的ミスが起きる可能性が高くなる.そこで我々は,効率的に品質の高いデータを確保するため,短時間でロジカルチェックプログラムの作成が可能な動的プログラム作成機能を備えたソフトウェアを開発した.本研究では,多様な臨床研究やEDCシステムに対応するため,①データ構造の統一化機能,②複数ファイル間のデータチェックのためのファイル結合機能,③データチェック仕様ファイルの作成機能の3機能を実現した.開発したソフトウェアを2つの臨床研究に適用した結果,目視チェックを実施した場合と比較し,作業時間の短縮が認められ,データマネジメント業務の効率化に対して有用性が示唆された.

資料
  • 藏本 裕士, 中西 義孝, 有働 功一, 岩崎 祐樹, St Martin Carlisle, 大塚 昌子
    2018 年 38 巻 2 号 p. 115-124
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2019/06/26
    ジャーナル フリー

     これまで医療情報の統計において,問診票を研究者が1枚ごとに手作業で集計する必要があり,問診票から患者の主訴を反映した統計は行いづらかった.これらの解決方法として,iPadなどのタブレット端末を利用した電子問診票が使用されてきているが,外来患者の多くは高齢者でありタブレット端末の使用が困難である.問題解決のために,従来どおり,患者は紙の問診票に記載し,看護師がスキャナでスキャンし,記載した内容を,OCR技術および画像解析技術を用いてテキストデータ化するシステムを民間病院にて開発・検証した.本システムによって,電子カルテ上の一次利用の支援に加え,研究者の二次利用の効率化が図れた.導入病院においては問診データの二次利用により,医療情報の学術統計などに利用できることを実証できた.また,電子カルテの大規模な改修を伴わずに,既存電子カルテに追加する形で,容易に導入できることも,本システムの利点と考える.

  • 松島 沙也香, 伊藤 芽唯, 吉田 はるか, 福田 里砂, 山下 奈緒子
    2018 年 38 巻 2 号 p. 125-136
    発行日: 2018/06/15
    公開日: 2019/06/26
    ジャーナル フリー

     【目的】地域住民を対象に,健康食品に関する情報をどのような視点で検討しているかを明らかにすること,またそれに関連する要因を検討することを目的とした.

     【方法】対象者は,愛媛県内の40~60歳代の地域住民188名とした.対象者の基本情報,健康食品購入時の情報を見る視点,健康意識,健康状況,ヘルスリテラシーについて,無記名・自記式質問紙調査を実施した.

     【結果】対象者が健康食品購入時に最も確認している項目は,摂取方法や摂取量,注意点などの記載と,製造者や販売者などの名前や原材料名の記載で77.7%,次に栄養成分やその他の成分の量の表示で76.9%であった.一方,最も確認していない項目は,論文としての報告の有無で33.1%,次にヒトを対象とした研究であるかで59.2%であった.健康食品購入時の情報を見る視点には,性別,身体的な自覚的健康感,健康食品の利用経験,ヘルスリテラシーが有意に関係していた.

     【結論】科学的信頼性に関する項目の確認が不十分であること,情報を見る視点とヘルスリテラシーとの間には負の関係があることから,情報の入手方法や情報の見方についての教育が必要である.

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