医療情報学
Online ISSN : 2188-8469
Print ISSN : 0289-8055
ISSN-L : 0289-8055
資料
地域医療連携支援システムの開発と評価
岡本 康幸村井 正二大名 美記子
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 32 巻 5 号 p. 253-261

詳細
抄録
 目的:地域医療連携を推進するために,コンピュータネットワークを基礎にした支援システムを開発し,運用を行ってきた.その結果についての評価を報告する.
 方法:診療情報伝達および共有と紹介患者のための外来予約受付の機能を,SSL–VPN を介したインターネット上のサーバに設置し,紹介元への返書作成・逆紹介病医院候補の検索・診療情報の提供を支援する機能を,電子カルテ端末から利用可能な病院情報システム上のサーバに設置した.いずれも Web アプリケーションで Java SDK,Apache Tomcat,MySQL にて開発し,病院情報システムでは DWH も利用した.
 結果:システムは2008年に開発したが,情報共有機能の利用は2008年11月から開始し,約3年後の2011年末の時点で計64例の脳卒中地域医療連携パス適用症例のために利用された.受診予約機能は2010年10月から開始されたが,約1年後の2011年末の時点で,主たる利用者である診療所ユーザ登録数25に対して実際に予約取得したユーザ数が9で,予約取得件数が計53件であった.
 院内での逆紹介病医院候補の検索・診療情報の提供機能の利用状況は把握できていないが,逆紹介病医院候補への登録施設は55に達しており,紹介医への返書作成機能については2つの診療科で全面的に利用されている.
 考察:今のところ,脳卒中地域医療連携パス以外はテスト運用的であるが,利用された範囲ではとくに問題は生じておらず,今後の全面運用に十分耐えうるシステムであると評価される.
著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本医療情報学会
前の記事
feedback
Top