抄録
現在,医療用医薬品に関する薬歴情報を管理する方法として,かかりつけ薬局による調剤歴の記録やお薬手帳を利用した個人での管理が行われている.これらの仕組みで管理されている情報は調剤情報が中心であるが,本来は処方情報と服薬情報も合わせて管理することでより高度な薬歴情報の利活用が可能になると考えられる.そこで本研究では,公的な個人情報を管理するための情報インフラが整備された状況を想定し,公的な個人情報アカウントを利用することで,処方,調剤,服薬の3種類の情報を統合的に管理可能な電子薬歴情報管理システムを提案する.本システムにより,適切な薬歴情報の記録,参照が行えるだけでなく,調剤時の飲み合わせチェックや診療時における参考情報としての薬歴情報提示が可能になる.本システムの評価として,実験システムを構築し,実際に医師および薬剤師に利用してもらうことで,システムの特徴や課題を明らかにした.