本研究は,傷病名マスターと修飾語マスターを用いた合成傷病名の作成実態と,修飾語付加がそのICD-10コードに与える影響を,2つの市中病院のDPC/PDPS様式1データを基に測定した.合成傷病名では,修飾語を付加される傷病名のICD-10コードを通常継承する.しかし,修飾語がもつ診断的情報により,継承したICD-10コードに変更が惹起される可能性が問題提起されてきた.本研究の結果,修飾語付加によるICD-10コードの変更惹起が,約10%の合成傷病名に観測され,未コード化傷病名数にも匹敵することがわかった.様式1データに含まれるICD-10コードの確度を向上させるためには,各病院で合成傷病名のICD-10コードを見直さなくてはならない.また,修飾語の種類によって,変更惹起率が異なることもわかった.これは,その機械的支援の開発はもとより,人手による見直し作業においても有用な知見である.