医療情報学
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春季学術大会論文
機械学習による予測に寄与した特徴量抽出のための相関分析手法を用いた要因分析技術
鈴木 麻由美 柴原 琢磨村垣 善治
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2018 年 38 巻 6 号 p. 351-357

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抄録

 SVMやdeep neural networkなどの新しい機械学習手法により予測精度は向上したが,これらの手法は非線形な機械学習モデルを利用するため,予測の根拠に関する説明性に欠ける.予測の根拠の説明性が向上することにより,予測結果の信頼性も向上する.そこで,非線形な機械学習モデルにおいても,予測に利用された特徴量の提示を可能にする要因分析技術を提案した.要因分析技術では,逆解析技術により算出した機械学習モデルの事後確率分布に対し,因子解析技術により非線形な相関関係の評価を行うことにより,アウトカムとの相関が強い特徴量を抽出する.前立腺腫瘍患者と健常者の遺伝子発現データを用いた実験を行い,前立腺腫瘍や細胞死などとの関連性が指摘されている遺伝子を抽出した.今後,因子解析技術が抽出する特徴量の特性の検証や,本実験により抽出された遺伝子を用いた臨床研究が期待される.

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© 2018 一般社団法人 日本医療情報学会
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