医療情報学
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重症度,医療・看護必要度による患者と看護師の接触時間の説明率
児玉 悠希
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2021 年 41 巻 4 号 p. 191-198

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抄録

 看護の定量化指標である「看護必要度」による「患者と看護師の病室内接触時間」の分散の説明率を明らかにすることを研究目的とした.対象者は入院中の患者40名とした.ICT機器を用いて6日間に渡り接触時間を調査し,その日ごとの看護必要度と接触時間の関係を解析した.解析は,看護必要度の項目ごとに接触時間の差の検定と,接触時間を目的変数,看護必要度項目を説明変数とした回帰分析で行った.結果として,看護必要度の項目のうち8項目で接触時間に有意差を認めた.回帰分析では,最終的に看護必要度の5つの項目によって回帰モデルが構築され,決定係数は0.207であった.結果から看護必要度が接触時間に有意に関係する尺度であることが確認された.しかし,それらの項目を用いて構築したモデルでは,分散の説明率が20%程度であり,看護必要度の項目のみで接触時間を予測することは困難であることが示唆された.

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© 2021 一般社団法人 日本医療情報学会
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