医療情報学
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原著-研究
医療用医薬品の名称における後発医薬品を含まない群と後発医薬品を含む群の名称類似割合の比較調査
渡邉 武明 前島 悠門田 佳子
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2022 年 41 巻 6 号 p. 291-299

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抄録

 医薬品名称の類似は処方エラーや取り違えエラーの要因の一つである.そのため医薬品名称は製薬企業によって可能な限り類似しないよう設定されるべきであるが,近年シェアが拡大している後発医薬品(以下,後発品)では医薬品一般名称(以下,一般名称)を販売名とするために製薬企業が類似名称を回避することができない.そこで,先発医薬品(以下,先発品)を後発品に切り替えた際に名称類似性がどのように変化するかを明らかにすることを目的とし,本邦で販売されている医療用医薬品名称を,後発品を含まないA群と,後発品に変更可能な先発品をすべて後発品に置き換えたB群に分け,名称類似度を総当たりで算出し比較した.名称類似度はm2-vwhtfragを用いて算出し,スコアが0.46を超えた場合を名称類似とした.その結果,名称が類似する組み合わせの割合は,内用薬でA群2.78%,B群2.48%,外用薬でA群3.06%,B群2.96%,注射薬でA群2.85%,B群2.63%となり,先発品を後発品に切り替えた場合,剤型ごとの医薬品名称が類似する組み合わせの割合は低下した.

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© 2022 一般社団法人 日本医療情報学会
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