抄録
背弧拡大時に伴って噴出した未分化玄武岩マグマの化学組成を求めることは,背弧拡大時からその後のマントル内部における熱的進化に対してモデル化を行うのに有益である.本論では,South China basinの北側に位置する海南島玄武岩について岩石記載を行い,比較的未分化な玄武岩の特徴を有する試料を用いて,マントルと平衡である未分化マグマの全岩化学組成とカンラン石の鉱物組成を求め,それを基にして平衡温度を推定した.鉱物の化学組成を検討した結果,マントルポテンシャル温度は約1380℃∼1530℃と推定される.以上の結果は,背弧拡大時あるいはその後の海南島直下のマントル内部の温度はMORBのポテンシャル温度(Niu et al., 2001;1350℃)より高いばかりでなく背弧拡大に伴う玄武岩の生成温度が高温であることを示唆する.