医学検査
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特集論文
検査現場での捉え方と形態学検査のあり方
志賀 修一
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2015 年 64 巻 6 号 p. 650-654

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抄録

好中球の目視区分(形態学的分類)をどれだけの施設が意識をして分類しているのであろうか。1996年日本臨床衛生検査技師会の血液形態標準化委員会が「血液形態検査に関する勧告法」を発表して久しい。その後,2000年には日本検査血液学会が設立。標準化委員会の下部組織である血球形態標準化小委員会による好中球の新規目視分類の提案が進められた。しかし,実状は日本臨床衛生検査技師会勧告法に基づいて運用されている施設がほとんどであり(約8割),日本臨床衛生検査技師会勧告法に変わって,日本検査血液学会でとりまとめた目視区分が,日本の血液検査の現場ではなかなか受け入れられてこなかった。今回,日本臨床衛生検査技師会と日本検査血液学会での血球形態標準化合同ワーキンググループを立ち上げ,今後の好中球(分葉核球,桿状核球)の目視区分(分類)法について再度,新目視区分法を提案することになった。今回,これまでの歴史的な背景をもう一度見直し,日本臨床衛生検査技師会と日本検査血液学会合同で考案した好中球の新目視区分法を,検査現場でどのように捉え普及させるかを,自動血球分析装置の性能や国際標準化の動向も踏まえながら考察する。

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© 2015 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
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