フェリチンは鉄結合蛋白質であり,生体内の鉄代謝を把握する有用な指標である。また,炎症マーカーとしての側面もあり,特にCOVID-19の流行を受けて,低値域から高値域までの精度良い測定が重要視されている。本検討では,フェリチン キャリブレーターIIを使用して測定範囲を1,000 ng/mLから2,200 ng/mLに拡張したイアトロ フェリチンの性能評価を行った。その結果,併行精度および室内再現精度はフェリチンの許容誤差限界を満たし,定量限界は5.9 ng/mLから2,308.9 ng/mLとなった。プロゾーンチェック機能も確認され,従来法との互換性も良好であった。また,算出された基準範囲は男性で41.1~346.3 ng/mL,女性で6.6~179.6 ng/mLであった。さらに,TATに関しては1,000 ng/mL超2,200 ng/mL以下の検体に対し,約15分の検査時間短縮が認められ,迅速な臨床への導入が期待できる。しかし,基準範囲は測定系毎に差異があるため,試薬導入時には注意が必要である。
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