論文ID: 24J1-3
統計処理の目的は,多くの情報を整理,分析して,表やグラフにまとめることで,データの裏側にある特徴を知り,将来に役立てることである。記述統計は,その基本となる統計学の一分野で,データをわかりやすくすることを目的としている。データを一つの数値で要約させる時には,平均値や中央値,最頻値といった代表値で表される。しかし,それぞれの代表値には特徴や前提条件があることから,適切な使い分けが必要である。また,データがどのような分布であるかを記述する際には,代表値のほか,データ数やバラツキの指標である標準偏差や変動係数,標準誤差,四分位数を使ってデータを表現する。しかし,これらも代表値と同じように,データの特徴によって使い分けが求められる。データ全体の特徴を知るうえでは,ヒストグラムや箱ひげ図が有効であり,データ分析を行う初期段階でデータの図示をすることで,極端値の混入が発見でき,極端値混入によってデータ解析を誤ってしまうことを未然に防ぐ効果がある。