医学検査
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第6章 差の検定
佐藤 正一
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論文ID: 24J1-6

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抄録

検定とは,標本から抽出したデータを基に,ある確率を使って推定した母集団の特性を,バラツキの影響を考慮して統計的に判断することをいう。差の検定では,t検定や分散分析のようなパラメトリック法では,母平均の差について評価を行い,Mann-Whitney U検定やWilcoxonの符号順位検定などのノンパラメトリック法では順位を基に二変量間の差について検定を行う。また,等分散性の検定では標準偏差などのバラツキの大きさについて検定する。差の検定の手順は,帰無仮説(H0)として「等しい」という仮説と対立仮説(H1)「異なる」という2つの仮説を設定し,各検定方法の統計量を求め,統計量が設定した有意水準を上回った場合には,帰無仮説(H0)を棄却し,対立仮説(H1)を採用するという方法がとられる(背理法)。仮説が真であることを証明するのは難しいが,仮説が正しくないことを証明するのは可能であるため,背理法を用いる。また,検定では,その検定法を適用するための前提条件があり,使い方を誤ると最良の結果が得られないため,必要な前提条件を確認したうえで実行することが求められる。本章では,各種統計手法について,理論と具体的な例題を挙げて解説する。

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