医学検査
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第8章 判断分析
山西 八郎
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論文ID: 24J1-8

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抄録

検査(診断)法が疾患の診断にどの程度寄与するかを評価することを総称して判断分析といい,症例対照研究のような後ろ向き研究から得られたデータが解析対象となる。そして,その定量的な指標となるのが,感度,特異度,オッズ比などの統計量である。これらの統計量は,検査法が有する疾患群(判別群)と非疾患群(被判別群)の判別特性を評価するうえにおいて重要な指標となる。また,感度・特異度曲線はカットオフ値の候補点を与える。さらに,感度,特異度から得られるROC曲線の曲線下面積から,その検査法の判別能を定量的に評価,比較することができる。オッズ比は判別群と被判別群における注目するイベントが起こるオッズの比であり,オッズ比が大きいほど判別群に属する可能性が高いと判断することができる。一方,χ2検定は,観測度数と期待度数から統計検定量としてのχ2値を求め,対応する自由度のχ2分布との関係から,期待度数からの観測度数の偏りの有意性を検定する方法である。χ2検定は,χ2適合度検定と独立性の検定に大別される。前者は観測事象が生じる確率が既知の場合の検定法であり,後者は観測度数から期待度数を確率論的に設定する。

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