日本看護管理学会誌
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転倒が予測される看護場面のリスク評価に影響する要因
藤井 真砂子米澤 弘恵長谷川 智子上木 礼子大久保 清子大口 二美
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2009 年 12 巻 2 号 p. 32-41

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抄録

転倒が予測される看護場面のリスク評価に影響する要因を明らかにすることを目的に,総合病院に勤務している看護師752人を対象に,無記名で自記式質問紙による調査を実施した.調査内容は,1.看護師の背景,2.看護師の思考パターン(情報処理スタイル尺度,クリティカルシンキング志向性尺度,リスク回避-志向性尺度),3.リスク場面として,1)芳賀ら(1994)が用いたリスクを伴う行動リストから,①日常場面5項目,②交通場面7項目,2)川村ら(2004)の転倒のヒヤリハット事象から転倒が予測される看護場面25項目についてのリスク評価と,リスク場面でその行動をとる確率(以下リスク敢行確率)とした.分析方法は,転倒が予測される看護場面のリスク評価を従属変数とし,看護師の背景,看護師の思考パターン,日常・交通場面のリスク評価とリスク敢行確率,看護場面のリスク敢行確率を独立変数として,Spearmanの単相関,重回帰(減少法)分析を行った.

その結果,転倒が予測される看護場面のリスク評価の予測因子では,「日常・交通場面のリスク評価」「日常場面のリスク敢行確率」「看護場面のリスク敢行確率」で影響が強く(p<0.001),次いで「経験年数」(p<0.01)であった.このことから,身近な生活の中で危険に気づくことができることが,看護場面で危険に気づくことに強く影響していることが明らかになった.また,看護場面のリスク敢行確率で強い影響がみられたことから,看護場面でリスク評価が高ければ,リスクテイキング行動はとらない可能性が示唆された.

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© 2009 一般社団法人 日本看護管理学会
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