本研究は,中堅看護師の自律を促すために,関東圏内の中規模病院の病棟1単位に所属する,同意が得られた看護師長1名,副師長2名,看護師24名と共に,リフレクションの方法を用いて自律的な看護を考える[話し合いの会]の開催し,中堅看護師,看護管理者の意識や行動に起こる変化とその過程を明らかにすることを目的としたアクションリサーチである.データ収集期間は約3カ月で,[話し合いの会]の逐語録と病棟での参加観察のフィールドノーツの解釈と分析を繰り返しながらアクションの進行や内容を修正し,全データを時系列に並べ質的に分析した.結果,研究参加者は7回の[話し合いの会]の中で,「リフレクションの知識の共有」,「現状の共有とリフレクション」,「変化の自覚と維持」の3段階を経てリフレクションを深め,本音で語り合い,語りの内容の共有を通して,お互いを認め合うことが良い看護に繋がることや日々のカンファレンスの重要性を共有した.中堅看護師には「主体的にカンファレンスの開催を働きかけ話し合う場をもつ」,「経験年数にとらわれず遠慮せずに意見が言えるようになる」,「受け持ち患者のことは自分で医師と相談する」という主体的な行動への変化が見られ,看護管理者はスタッフとの従来の関わりを見直した.中堅看護師と看護管理者が共にリフレクションする意義と,中堅看護師の自律の芽生えにリフレクションが有用であることが示唆された.