日本看護管理学会誌
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原著
「学習ニードアセスメントツール─実習指導者用─」の開発
─実習指導者の学習ニードを反映した 看護継続教育の提供─
中山 登志子舟島 なをみ
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 18 巻 1 号 p. 17-26

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抄録

目的:信頼性・妥当性を確保した実習指導者の学習ニードアセスメントツールを開発する.

方法:次の3段階を経てアセスメントツールを開発した.①質的帰納的研究の成果を基盤とした質問項目の作成・尺度化とレイアウト,②専門家会議とパイロットスタディを通した内容的妥当性の検討,③1次・2次調査の実施による尺度の信頼性・妥当性の検討である.

結果:21質問項目から成る6段階リカート型尺度「学習ニードアセスメントツール─実習指導者用─」を作成した.1次調査は,全国の病院に就業する実習指導者1,309名に質問紙を郵送し,753名から回答を得(回収率57.5%),そのうち698名の有効回答を分析した.結果は,クロンバックα信頼性係数が0.922であり,尺度が内的整合性を確保していることを示した.また,実習指導に意欲のある者がそうでない者よりも(t=–4.098,p <0.001),実習指導に伴う問題に直面している者がそうでない者よりも(t=2.278,p<0.05),学習ニードアセスメントツールの総得点が有意に高く,尺度が既知グループ技法による構成概念妥当性を確保していることを示した.2次調査は,実習指導者27名を対象に再テスト法を実施した.その結果,学習ニードアセスメントツール総得点の相関係数が0.753(p <0.001)であり,尺度が全体として安定性を確保していることを示した.

結論:開発したアセスメントツールは,信頼性・妥当性を概ね確保しており,実習指導者の学習ニードを反映した看護継続教育の提供に向け,指導者の学習ニード測定に活用できる.

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© 2014 一般社団法人 日本看護管理学会
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