日本看護管理学会誌
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出産・子育て期にある看護職員に病院から提供されている 支援の現状と就業継続への影響
槙 正和土肥 眞奈叶谷 由佳
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2016 年 20 巻 1 号 p. 49-60

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抄録

【目的】本研究は出産・子育て期にある看護職員に提供されている病院の支援の現状と就業継続への影響を明らかにし,基礎的データとすることを目的とした.

【方法】本研究では,8都道府県の一般病床200床以上の病院339施設における看護管理者を調査対象として,郵送による無記名自記式質問紙調査を実施した.調査内容は,看護管理者の属性,組織属性,出産・子育て支援,教育・キャリア支援,看護職員の動向の5項目とし,統計的分析には,SPSS(Version19.0)を用いて Mann-Whitney U検定を実施した.

【結果】122名より回収され(回収率36.0%),うち110名を分析対象とした(有効回答率32.4%).短時間正社員制度は42.7%,超過勤務削減制度は36.4%の施設で実施されていた.正規看護職員に対する出産・育児による離職割合は1.0±1.2%,正規看護職員離職者に対する出産・育児による離職割合は11.3±13.5%であった.短時間正社員制度,超過勤務削減制度の実施率は低かったが,短時間正社員制度,超過勤務削減制度といった勤務制度を取り入れている施設の方が取り入れていない施設に比べ有意に出産育児による離職割合が低かった(p <0.05).

【結論】出産・子育て期の看護職員の就業継続に対しては,短時間正社員制度,超過勤務削減制度といった勤務制度が影響していることが示唆された.

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© 2016 一般社団法人 日本看護管理学会
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