日本看護管理学会誌
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原著
PNSで働く看護師のペアで働くことに対する肯定感の実態と影響要因
高田 望鈴木 美寿穂門間 典子菅原 明子神 裕子酒井 敬子三橋 光
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2019 年 23 巻 1 号 p. 168-176

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抄録

目的:2012年に学術誌での紹介以来,パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)は多くの病院で採用されてきた.本研究は,PNSで働く看護師のペアで働くことに対する肯定感の実態,およびペアで働くことに対する肯定感へ影響する要因を明らかにすることを目的とした.

方法: PNS実施および未実施施設を含む6つの国立大学附属病院の看護師1800名に自記式質問紙調査を実施した.質問はPNSの実施,看護実践能力,ペアで働くことに対する肯定感,年間パートナーとの良好な関係だった.回収した1530部(回収率85.0%)のうち,PNSで働く一般病棟のスタッフおよび主任・副看護師長523名のデータを使用した.分析は,ペアで働くことに対する肯定感を従属変数,その他を独立変数として重回帰分析を実施した.実施に当たり東北大学病院臨床研究倫理委員会の承認を得た.

結果:ペアで働くことに対する肯定感の合計点は19.2±4.0(range6-25)で,高得点に偏った分布だった.ペアで働くことに対する肯定感への影響要因は,年間パートナーとの良好な関係(β=.44),PNSの経験しかない(β=.18),主任または副看護師長である(β=.17),子どもがいる(β=.17),看護実践能力(β=-.16)などだった.

考察および結論:看護実践能力に不安を抱えている看護師や,子どもがいる看護師はペアで働くことに前向きな姿勢を示した.本研究の知見は,PNS導入を検討するための指針となりうるものであった.

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© 2019 一般社団法人 日本看護管理学会
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