2020 年 24 巻 1 号 p. 104-112
目的:本研究は,リハビリテーション看護コンピテンシー評価票の内容妥当性を統計学的に検証することを目的とした.
方法:無記名自記式質問紙による横断調査が実施された.質問紙は基本属性,10コンピテンシーの80行動特性から成るリハビリテーション看護コンピテンシー評価票,そして4下位尺度を有する看護における社会的スキル尺度短縮版より構成された.予備調査で80行動特性の質問文の文言を修正後,本調査は全国から無作為抽出された22病院の回復期リハビリテーション病棟に勤務する1,016名の看護師を対象に実施された.リハビリテーション看護コンピテンシー評価票よりコンピテンシー得点が算出された.コンピテンシー得点について,基本属性による差の検定,看護における社会的スキルとの相関が検証された.
結果と考察:回復期リハビリテーション病棟に勤務する看護師より555名分の有効回答が得られた.基本属性の内,回復期リハビリテーション病棟での経験年数,役割,そして認定資格の要因では,全てのコンピテンシー得点において有意差が認められた(p=0.005~<0.001).コンピテンシー得点と看護における社会的スキルの4下位尺度とは,中程度以上の正の相関が認められた(r=0.37~0.67, p<0.001).
結論:統計学的検証により,リハビリテーション看護コンピテンシー評価票の内容妥当性が確認された.