日本看護管理学会誌
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原著
妊娠期における16時間交代制看護師の睡眠と疲労と身体活動強度の実態
大重 育美 山口 多恵中島 充代飛奈 卓郎木村 涼平永松 美雪倉岡 有美子
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2021 年 25 巻 1 号 p. 262-271

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抄録

本研究の目的は,妊娠期の16時間交代制看護師を対象に日勤,夜勤,休日の一連の流れを通した睡眠,疲労,身体活動強度について,主観的・客観的な指標を用いて分析し,その実態を明らかにすることである.本研究では,160床以上の病床数の病院に勤務する妊娠期の16時間交代制看護師11名を対象とした.その結果,対象者の平均年齢は29.5歳,平均経験年数は7.2年であった.対象者のうち,初産8名,経産婦3名で,産後うつ状態を評価するEPDSは平均4.7点と抑うつ状態ではなかった.対象者の睡眠の質を示すPSQI-Jは平均6.9点と高かった.妊娠中の交代制看護師の疲労は,日勤前後および夜勤前後でいったん増加するが夜間の睡眠によって回復していた.また休日は低い身体活動強度で過ごすことで疲労を感じることなく過ごしていた.夜勤時の仮眠時間は1時間半確保しているが,日勤後の睡眠時よりも交感神経優位でストレスを感じていることが明らかとなった.さらに妊娠期の16時間交代制看護師の睡眠の質は,非妊娠期の女性看護師と比べて悪化傾向であることがわかった.

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© 2021 一般社団法人 日本看護管理学会
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