日本看護管理学会誌
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非災害拠点病院の看護管理者を対象とした病院災害対応計画促進のための情報提供の効果
冨樫 千秋石津 みゑ子藤本 一雄大塚 朱美鈴木 康宏
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2021 年 25 巻 1 号 p. 64-73

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抄録

非災害拠点病院の看護管理者を対象に病院災害対応計画の促進および災害に対する備え意識を醸成するための情報提供の介入をおこない,その効果を明らかにすることが目的である.

研究協力の同意が得られた対象者をランダムに,介入群17名,対照群18名に割り付けた.介入群には,半月に1回ずつ3か月間(2020年1月から2020年3月),計6回の情報提供をおこなった.情報提供内容は減災カレンダーHDMGの一部を用いた.1回目「災害発生時,職員を集める方法は?」,2回目「職員の家族との連絡について考えよう」,3回目「多数傷病者受け入れる!施設のエリア分けは?」,4回目「災害マニュアルを見てみよう!」,5回目「地震発生時の机上訓練に職員を誘ってみよう」,6回目「必要な訓練を考えてみよう!」であった.

結果,介入群で統計学的に有意に変化した項目は「災害時の患者のケア(優先順位の付け方や救命処置等)について教育している」であった.情報提供の介入は,看護管理者に災害時の患者のケアを教育することを意識づけることに効果があったと考えられる.

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© 2021 一般社団法人 日本看護管理学会
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