日本看護管理学会誌
Online ISSN : 2189-6852
Print ISSN : 1347-0140
ISSN-L : 1347-0140
資料
急性期病院において複数の特定行為研修修了者の活動を支援する管理実践の要素
―管理者へのインタビューによる質的研究―
佐伯 昌俊小松 亮西宮 岳酒井 郁子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2023 年 27 巻 1 号 p. 1-9

詳細
抄録

本研究は,急性期病院で特定行為研修修了者の効果的な活動を支援するため,施設管理者および看護管理者の管理実践の要素を明らかにすることを目的として実施した.特定行為研修を受講した看護師がいる病院の施設管理者と看護管理者を対象にオンラインで半構造的面接法による個別インタビューを行った.インタビューは1人あたり20分程度行い,録画をもとに逐語録を作成しデータを収集した.調査期間は2021年3月である.研究協力者は施設管理者8名と看護管理者11名だった.特定行為研修修了者の活動を支援する管理者の管理実践には,「組織における修了者の活躍を期待する」「組織における修了者活用のニーズを把握する」「特定行為研修制度及び修了者に対する理解を得る」「組織の機能に応じた修了者の配置計画を立案する」「特定行為研修に看護師を送り出して受講継続を支援する」「組織の構想に応じて修了者を配置する」「組織で修了者が活動継続するための環境を整える」「修了者の活用による効果を見出す」「組織の構想に応じて修了者の活動を調整する」「修了者の活動を多様な対象に周知する」が含まれていた.これらは特定行為研修修了者を導入して複数の修了者を組織で配置・活用するための管理実践の要素として解釈でき,構想・育成・配置・活用・最適化・周知が見いだされた.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本看護管理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top