日本看護管理学会誌
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原著
パートナーシップ・ナーシング・システム (PNS)における看護師のタイムマネジメント
佐田 明子山澄 直美
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 27 巻 1 号 p. 10-19

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抄録

本研究の目的は,パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)を採用している病院に勤務する看護師が看護業務の中で行っているタイムマネジメントの内容を明らかにし,効果的な協働に向けて看護管理者に求められる支援を検討することである.全国の病院26施設に就業する看護師767名を対象に郵送法による質問紙調査を実施した.質問紙は,タイムマネジメントの内容を問う自由回答式質問および対象者の特性を問う質問から構成した.有効回答412部の記述内容を内容分析を用いて分析した.結果は,【業務開始時に患者の状態,予定,医師の指示の内容,必要な看護ケアの内容をパートナーと共有し,援助の方法や援助上の注意点を相談する】【業務開始時にパートナーと相談し,患者の情報に基づき業務の優先順位,時間配分を決め1日の行動計画を立てる】などタイムマネジメントの内容を表す39カテゴリを明らかにした.PNSに特有のタイムマネジメントを表す27カテゴリのうち,6カテゴリがPNSの「補完」に該当し,PNSにおけるタイムマネジメントの中核であることが示唆された.また, 確実かつ頻繁な情報共有と適切かつ柔軟な業務分担がPNSにおけるタイムマネジメントの重要な要素であることが示唆された.看護管理者は,タイムマネジメントの観点から補完のシステムが機能するようシステムの点検とスタッフへの教育を行っていく必要がある.

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© 2023 一般社団法人 日本看護管理学会
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