2023 年 27 巻 1 号 p. 20-30
短時間勤務看護職員と共に働くフルタイム勤務看護職員の協働意識に影響する要因を明らかにすることを目的とした.
全国の国立大学病院の短時間勤務看護職員と共に働くフルタイム勤務看護職員1,352名を対象とし,南谷らが開発した「短時間勤務看護師との協働意識尺度」と独自に作成した特性調査紙を用いた質問紙調査を行った.データはピアソンの積率相関係数,t検定,重回帰分析を用いて分析した.
質問紙の回収数639(回収率47.3%)のうち有効回答590を分析対象とした.協働意識尺度総得点と対象者の特性との関係では,年齢,臨床経験年数,現部署経験年数,職位に有意な差があった.協働意識尺度総得点と職務に対する意識との関係では,職務に対する意識を問う設問のうち15項目において有意な差があった.重回帰分析の結果,協働意識尺度総得点に影響を与えるフルタイム勤務看護職員の職務に対する意識は,仕事の責任の負担の程度,同僚との人間関係の良好さ,職場の自由に意思を言える環境,やりがいの知覚の程度,仕事の業務の負担の程度,福利厚生の利用のしやすさの6項目が抽出された.