日本看護管理学会誌
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急性期病院の看護の質向上における主任看護師の役割行動とその関連要因
西山 史江近末 清美村田 由香新宅 祐子山本 真由美
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2024 年 28 巻 1 号 p. 11-20

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抄録

目的:急性期病院の看護の質向上における主任看護師の役割行動とその関連要因を明らかにする.

方法:中国地方の300床以上の急性期病院26施設の主任看護師571名を対象に無記名自記式質問紙調査を行った.質問紙は,主任看護師昇格前後の経験,主任看護師の役割行動,看護の質向上に向けた行動,リーダーの自信尺度などで構成した.分析は,Mann-WhitneyのU検定,重回帰分析を用いて行った.

結果:300名を分析対象とした.主任看護師昇格前後の教育と管理に関する経験や,主任看護師昇格基準のある施設の主任看護師は,役割行動総得点が高かった.また,主任看護師の役割行動はリーダーの自信,看護の質向上に向けた行動との関連が認められた.

考察:主任看護師は,教育や管理経験を通して管理者としての役割意識を高めることで,役割行動を遂行できると考える.さらに,主任看護師の役割行動を遂行する背景にはリーダーとしての自信が必要であり,主任看護師の自信を持った行動は,部署の看護の質を向上させると考える.

結論:主任看護師の教育や管理経験が主任看護師の役割行動を高め,主任看護師のリーダーとして自信を持った役割行動は,看護の質向上に向けた行動につながることが示唆された.

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