目的:訪問看護師が認識する心不全の後期高齢者のセルフケアを支える在宅ケアチームの関わりを明らかにする.
方法:A県内の訪問看護ステーションで,退院後半年以上再入院しなかった心不全の後期高齢者の事例を経験した13名に半構造化面接を行った.
結果:質的記述的分析の結果,心不全の後期高齢者のセルフケア支える在宅ケアチームの関わりとして,31のサブカテゴリーから9のカテゴリーが生成された.
考察:心不全の後期高齢者が再入院しないためには,在宅生活に目的と役割を持ち,在宅に居続けたいと思うことが重要で,【患者に合せてゆるめの管理をする】ことや【患者の希望を活かしながらできる方法で在宅生活を支援する】ことが在宅生活を長続きさせる鍵だと考える.また,【日常の数値で判断できる「体重」を基に利尿剤追加の指示をもらっておく】ことや【「いつもと違う」を大事にして早めの受診に繋げる】ことで誰もが心不全悪化の徴候を見逃さないことも大切であると考える.さらに,家族が心不全管理の必要性を理解したセルフケアの支援ができるよう,アドヒアランスを考えた家族指導をすることが大切であると考える.