日本看護管理学会誌
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原著
特定行為研修を修了した看護師の職業的アイデンティティと自尊感情および職務満足感との関連
植田 悠太松本 和史
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2024 年 28 巻 1 号 p. 183-192

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抄録

特定行為研修を修了した看護師の職業的アイデンティティと自尊感情および職務満足感との関連を明らかにすることを目的とした.

特定行為研修修了者400名を対象として質問紙調査を実施した.基本属性,特定行為関連項目,企業就業者用職業的アイデンティティ尺度,自尊感情尺度,職務満足感尺度を尋ねた.

102名から回答があり(回収率25.5%),職業的アイデンティティ尺度得点は平均44.2(SD=7.2)であった.職業的アイデンティティを従属変数,単変量解析で有意であった項目を独立変数とした重回帰分析の結果,特定行為研修満足度が高いこと(標準偏回帰係数β=0.210,p=0.003),自尊感情が高いこと(β=0.512,p<0.001)および全体的職務満足感が高いこと(β=0.305,p<0.001)は,職業的アイデンティティが高いことと関連していた.特定行為のうち「持続点滴中の利尿剤の投与量の調整」を実施していないこと(β=-0.271,p<0.001)および「末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入」を修了していないこと(β=-0.185,p=0.010)は,職業的アイデンティティが低いことと関連していた.

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