本研究目的は,実地指導者が捉える独り立ちが困難な卒後2年目の看護師に対する成長を促す指導について明らかにすることである.独り立ちが困難な卒後2年目の看護師の指導経験がある,実地指導者11名に半構造的面接を行った.得られたデータを質的帰納的に分析した.その結果,独り立ちが困難な卒後2年目の看護師に対する成長を促す指導は,【他者理解を心掛けた指導】,【目指す姿を伝え寄り添う指導】,【小さな成長を本人や周囲に伝え承認する指導】,【主体的な行動につなげる指導】,【ありのままの事実と向き合い看護師として必要な行動規範についての指導】,【報告内容を見極めることができる指導】,【同一の実地指導者による個別的な指導の継続】,【病棟全体で課題を認識した指導】の8つのカテゴリーで構成された.これら8つのカテゴリーは,独り立ちが困難な卒後2年目の看護師との関係性の構築,看護師としての責務についての指導,病棟全体でのサポート体制に大別された.これらより,独り立ちが困難な卒後2年目の看護師の成長を促すには,個別に合わせた教育支援計画の必要性や,病院組織において実地指導者のさらなる教育指導体制の構築の重要性が示唆された.