2003 年 6 巻 2 号 p. 46-51
本調査は,看護職の変革に対する反応タイプを探り,職場環境の変革程度を知ると同時に,そこに働く看護師が求めるリーダーの条件を明らかにすることで,主任のリーダーシップスタイルへの示唆を得ることを目的とした.調査にあたり,船川による変革への6タイプの分類を応用することにより,オリジナルの調査用紙を作成し,調査病院における2つの病棟に属する51名の看護師を対象に組織活動への意識調査を実施し,これを船川のデータと比較し,変革の程度を判定した.またリーダー条件においては,同対象者の「主任についていく条件」を調査することにより,フォロワーが求めるリーダーシップスタイルを抽出した.結果(回収率96%)は,改革推進が全体の83.7%を示しており,職場環境は変革の有事環境の傾向にあると判定された.リーダー条件の主な結果は,熟練した看護実践および指導能力であった.そして職場が変化期にある看護主任に求めるリーダーの条件は,「伝授型のOJT」から「創造型のOJT」が実践できるリーダーであることが示唆された.