2006 年 9 巻 2 号 p. 14-21
本研究の目的は,都市近郊型の1急性期特定機能病院におけるDPC導入前後の看護業務量を比較すること,さらに業務量に影響する関連要因を明らかにすることである.看護業務量および関連要因は,Kitasato Nursing Systemによって入力されているデータを用い,DPC導入前の1年(2002年5月~2003年4月)とDPC導入後の1年(2003年5月~2004年4月)の2群間比較および記述統計量を算出した.結果,その他の処置・検査業務時間,入院業務時間,移動・リハビリ業務時間,呼吸ケア業務時間は有意に増加していた.特別な指導業務時間は有意に減少していた.タイプ別患者数の比較は,タイプ5=重症ケア,タイプ4=集中ケアが有意に増加し,タイプ0=セルフケアが有意に減少していた.DPC導入によって在院日数短縮化がなされた一方で,入院患者数の増加,高齢患者数の増加,CP導入によって,重症ケアや集中ケアが必要な患者に対する看護業務量が増加していた.以上より,看護サービスの業務量がDPC分類に使用される客観的で標準的な測定手法を開発していく必要がある.現場においては,重症ケアや集中ケアが必要とされる患者に安全な医療・看護を提供するための人員配置の検討が早急の課題である.