本研究は、学内における疑似妊婦体験学習後に臨地の産科外来実習を行ない、学生の妊婦理解の違いという教育的効果を明らかにするために、学生の学ぴの内容分析を現象学的アプローチに準じて行なった。
研究結果として、学生は産科外来実習では、妊婦の妊娠期間中徐々に身体的変化に適応し自立している姿を学んでいた。また妊婦の背景や状況・対処能力などの違いにより、個々の精神的・身体的苦痛が異なっている現状も学んでいた。
つまり、学生は疑似妊婦体験学習に積極的に取り組み妊婦理解を行なったとはいえ、そこではまだ妊婦を外面的にとらえた「非文脈的な理解」であった。それに対し産科外来実習では、学生は、対象の状況に即した「文脈的な理解」である個別性の理解を学ぶ効果があることが明らかになった。