2002 年 11 巻 3 号 p. 35-44
本研究は,和歌山県立医科大学看護短期大学部2年生85名を対象に,学内演習において,学生が考えた患者教育の実践内容を明らかにすることを目的とし,その記述内容を分析した.その結果,学生が考えた息者教育の内容は,〈糖尿病に関する知識の提供〉〈インスリン注射の自己管理方法〉〈自已管理の精神面への援助〉の3つのカテゴリーに分類された.これらのカテゴリーから,学生は,「知識」「技術」「支援」という3要因で患者教育の内容を構成したことが示された.このことから,講義と演習を組み合わせて構成した本研究の教育プログラムは,患者が自己管理を行う前提要因を与える効果をもたらしたことが明らかになった.