日本看護学教育学会誌
Online ISSN : 2436-6595
Print ISSN : 0916-7536
ISSN-L : 0916-7536
研究報告
臨地実習での看護診断過程における学生の困難とその原因
鈴木 のり子高木 文子
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 12 巻 1 号 p. 11-17

詳細
抄録

研究目的は、「看護診断に至る推理過程モデル」を適用した実習記録用紙を用いて、 臨地実習で看護過程を展開する学生の、看護診断過程の困難とその原因を明らかにすることである。対象は、成人・老年看護学実習を行った専修学校3年課程の2年生14名、指導した教員5名。学生が看護診断過程に使用した実習記録用紙に、教員が指導した内容と理由、及び学生のできない理由を記載した。これをデータとして、内容の要約、コード化、カテゴリー化を行った。その結果、1)学生の看護診断過程における困難は、情報収集と情報の解釈であり、必要な情報が不足し、解釈が不十分であった。2)情報が不足した原因は、情報を得る機会の不足、情報検索法についての戸惑い、患者への遠慮による情報収集の制限、学生の知識不足にあった。3)情報の解釈が不足した原因は、学生は情報の処理能力に限界があり、臨床判断に迷い、患者から直接得た情報や医学的診断・治療に捕らわれて、短絡的な情報の解釈を行うことにあった。

著者関連情報
© 2002 一般社団法人 日本看護学教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top