日本看護学教育学会誌
Online ISSN : 2436-6595
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原著
新人看護師12ヵ月までの看護実践能力と社会的スキルの修得過程
-新人看護師の自己評価による-
高島 尚美樋之津 淳子小池 秀子箭野 育子鈴木 君江赤沢 陽子
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2004 年 13 巻 3 号 p. 1-17

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抄録

本研究は、新人看護師の就職直後から12ヵ月間の、看護技術を含む看護実践能力(Six-Dimension ScaleSix-DS改訂版)及び社会的スキル修得の状況とそれらの関連を明らかにすることを目的とした。平成13年度の新人看護師46名を対象とし、看護技術の経験と自身、Six-DS改訂版および社会的スキルの自己評価を就職直後、3ヵ月後、6ヵ月後、12ヵ月後の計4回調査した。その結果、新人看護師のSix-DS改訂版や社会的スキルに対する自己評価は、それぞれ3ヵ月までと6ヵ月までは低下し、それ以降は上昇していた。Six-DS改訂版総得点、計画/評価、対人関係、技術への自伯と社会的スキルは6ヵ月以降から有意な関連がみられたが、個人差は拡大していた。これらのことから、新人看護師は36ヵ月間はリアリティショックを体験しており、自己コントロールの促進や対人関係への対処能力を高める支援を基盤としながら、息者への看護過程を展開することが有効であると考えられた。また、卒前教育段階からの客観的自己評価能力の育成が必要であることが示唆された。

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© 2004 一般社団法人 日本看護学教育学会
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