2007 年 17 巻 1 号 p. 29-40
本研究の目的は、今後の教育内容の検討に資する情報を得るために、戦後の看護倫理教育内容の変遷を明らかにすることである。方法は、教科書を対象とする文献研究である。戦後から今日に至るまでを、第Ⅰ期からⅣ期までに区分し、教科書の記載内容を抽出、カテゴリー化した。その結果、Ⅰ期は、『倫理とは』『倫理規定』『看護師にとっての礼儀・作法』『看護師としての心構え』など14のカテゴリーが、Ⅱ期は『倫理規定』、Ⅲ期は、『倫理規定』『生と死をめぐる問題』『患者の権利』など5つのカテゴリーが、Ⅳ期は、『倫理とは』『倫理規定』『生と死をめぐる問題』『看護における倫理上の問題』など12のカテゴリーが含まれていた。以上の結果から、看護倫理に関する教科書には、戦後から一貫して「倫理規定」が含まれていたこと、Ⅲ期までは看護師の職業倫理が中心であったこと、Ⅲ期はもう一つの柱として生命倫理が加わり、Ⅳ期になるとさらに倫理的な意思決定のための知識が加わっており、教科書の内容が時代とともに変化してきたことが示された。