2009 年 18 巻 3 号 p. 11-24
看護系大学の学生10名を対象にライフストーリー法を用いて、現代の看護大学生の学生生活における職業的アイデンティティの形成過程を明らかにした。学生は、入学動機にかかわらず、看護職への就業は現実的な可能性が高く、看護職以外の職業への転向は難しいと考えていた。そのため、学生の職業的アイデンティティの形成過程の中心的なテーマは看護職は自分に向いているか、自分にできるかという看護職としての自分探しであり、その過程には〈看護職は自分の仕事という感覚を得ていく〉、〈看護職は自分の仕事か否かの葛藤をし続ける〉、〈看護職は自分の仕事か否かの葛藤を止める〉という3つの類型が認められた。職業的アイデンティティの形成には実習での看護体験とその意味づけが必要であり、看護職は自分の仕事という感覚を見いだせないまま進路決定をしていく学生もいたことから、教員や看護師による学生への働きかけの重要性が示唆された。