2009 年 18 巻 3 号 p. 25-34
目的:徳の倫理の探究を主眼に、臨床看護師が体験の中で認識する「よい看護師」を記述し、よい看護師の構成要素を明らかにする。「よい看護師」とは、看護の実践・教育でめざす倫理的理想像である。
方法:研究質問は「看護師が認識するよい看護師の構成要素は何か?」であり、van Kaamの現象学的アプローチの手法を用いて、多様な臨床経験・教育背景をもつ20名の看護師に面接し質的に分析した。本報は、その中から比較的若手の看護師11名に焦点をおく。
結果と考察:「よい看護師」は、1)【患者の安寧を願う心】、2)人間味と専門職者としての自己制御力を含む【人柄】、3)患者中心、臨床能力、チームワーク能力を含む【患者に届くよい実践】の3つの特質を持っていた。また、【よい看護師を育むもの】と【患者に届くよい実践を阻むもの】の影響を受けていたが前者は、患者のポジティブな反応、よくない実践の振り返り、他の看護師モデルの観察と学びを含み、後者は仲間との同調、責任回避志向等を含んでいた。本研究の結果は、看護教育のガイドラインや教育戦略の作成において、実証的根拠を提供するものと考える。