1992 年 2 巻 1 号 p. 23-32
臨床指導の受益者である学生からのフィードバックは、試行錯誤のなかで指導を進めている指導者に多くの気付きを与えてくれる。本研究では実習指導者の態度・行動が学生の学習効果にどう影響しているのかを明らかにするために、一人の実習指導者が担当した千葉大学看護学部4年生202名の「成人外科系看護実習指導の評価」を分折し、以下の結果を得た。
1.実習指導者の本質的要素として、①学生の自立と存在価値の承認②学生への歩み寄りと肯定的刺激③サポートシステムとしての役割④良い役割モデルの提示⑤看護実践への思考プロセスの援助、が明らかとなった。
2.学生−患者関係成立の促進は学生の実習への参加度と、自己学習の程度、実習から得られる充実感を高めていた。
3.実習指溝者の経験年数は学生の実習成果に影響していた。