2011 年 21 巻 1 号 p. 39-49
〔目的〕看護学生の成人(慢性)看護学実習における体験の内面化プロセスを明らかにすることである。
〔方法〕実習において“内面化”まで到達した学生の課題レポートを分析対象とし、分析には修正版グラウンデッドセオリーの手法を用いた。
〔結果〕学生は実習前に【自己の目標を明らかにして臨む】姿勢を示し、【患者を知ろうとする】、【患者との関わりに困惑する】体験を経て【自己の未熟さに気づく】体験をした。学生は【知識を活用して鑑みる】、【患者にとってより良い援助を考えながら行動する】ようになり、【“できた”という感覚を持つ】ようになった。さらに、学生は【看護者としての患者への関心の深まり】、【患者の真の思いを知る】、【患者との関係性の深まり】など、患者との関係の発展を体験し、実習終了後に【知的な気づきの高まり】を体験した。
〔考察〕内面化に至る学生の特徴として、“考える”、“鑑みる”といった知的活動を通して体験を深め、看護の現象を実践知として学んでいる傾向がみられ、学生がリフレクションスキルを養うことの重要性が示唆された。