2011 年 21 巻 1 号 p. 29-38
〔目的〕本研究の目的は、3年課程看護師養成所の実習施設で臨地実習指導を担当している指導者の指導時期ごとの指導観・指導方法の変化を明らかにすることである。
〔方法〕4名の研究参加者の逐語録を、「指導者として初期の時期」と「指導者として経験を積んだ現在の時期」という2つの時期別に質的・帰納的に分析した。
〔結果・考察〕「指導者として初期の時期」と「指導者として経験を積んだ現在の時期」の比較の結果、指導観は【指導者は正確であるべき】から【指導者はしっかりした知識を持つことが大事】、【学生の達成感・満足感を大切にする】へ、また指導方法は【どう教えていいかわからない】から【学生の心情を理解する】、【学生とともに学ぶ】へと、指導経験を重ねる中で指導観を培い学生を中心にした指導方法が実践できるように変化していることが明らかになった。「指導者として初期の時期」には、まだ指導観・指導方法が確立していないため、指導者に対する支援体制が必要であることが示唆された。