日本看護学教育学会誌
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研究報告
高齢者ケア施設における新任期の学士課程卒業者の高齢者看護の実践能力を育成する教育支援の検討
坪井 桂子
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2014 年 23 巻 3 号 p. 15-29

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抄録

〔目的〕高齢者ケア施設における新任期の学士課程卒業者の高齢者看護の実践能力を育成するために、教育支援プログラムの構成内容である目標および教育支援方法を明らかにし、教育支援のあり方について示唆を得る。

〔方法〕学士課程卒業直後に高齢者ケア施設に就業した新任期の看護師6名、教育責任者3名に半構成的面接を行いデータを収集した。教育支援方法は、新任期の看護師の高齢者看護の実践能力の修得状況より、教育支援に関連した内容を抽出し、作成した。教育支援プログラムの構成内容である目標および教育支援方法は、教育責任者とその妥当性を検討した。

〔結果〕教育支援プログラムの構成内容として、10の〔目標〕と〔目標〕ごとに2~6の具体的な〔教育支援方法〕が示された。

〔考察〕 [教育支援方法]は具体的な支援方法が示されており、教育支援に活用可能と考える。教育支援のあり方は、「看護技術の修得のために、共に実践し助言する」、「高齢者看護の実践能力修得の難易度に応じた教育の時期と方法を設定する」、「生きることを支える看護観を醸成し、看取りや急変時の対応後に振り返りを行う」、「専門職の役割と責務を果たすための自己研鑽を促す」ことが重要と示唆された。

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© 2014 一般社団法人 日本看護学教育学会
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