日本看護学教育学会誌
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研究報告
看護専門学校教員の大学院進学をめぐる職場の支援体制の実態
吉田 さとみ林 千冬
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2014 年 24 巻 2 号 p. 1-13

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抄録

〔目的〕本研究の目的は、看護専門学校において教員が働きながら大学院教育課程で学ぶ際の進学支援の現状を明らかにすることである。

〔方法〕全国の看護専門学校3年課程475校の管理職者に自記式質問紙を郵送し、返送された210校(44.2%)の調査票を分析した。

〔結果〕本調査回答校において、進学の際に利用できる職場の制度は、休職制度が「ある」22.9%、

短時間正職員制度が「ある」7.6%、経済的支援制度が「ある」5.7%であった。管理職者の80.2%は、教員の大学院進学を「必要」と考え、「勤務時間の調整」、「役割や業務内容の調整」、「教員間の協力体制の調整」により支援していた。

〔考察〕看護専門学校において教員が働きながら大学院教育課程で学ぶことを促進するための体制を整備するためには、①大学院での学びが活かせる職場環境の整備、②支援体制を整備するための公的な財政支援、③教員数の増員と柔軟な雇用体制の整備、④教員の資格要件の見直しといった4つの課題があると考えられた。

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© 2014 一般社団法人 日本看護学教育学会
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