日本看護学教育学会誌
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研究報告
病棟看護師が実践する「口腔ケアに関する認識」と「問題解決行動の自己評価」との関連
窪田 惠子中島 富有子町島 希美絵
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2017 年 27 巻 1 号 p. 25-37

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抄録

〔目的〕口腔ケアの質向上の教育的示唆を得るため、病棟看護師の「口腔ケアに関する認識」と「問題解決行動の自己評価」との関連を明らかにする。

〔方法〕7つの病院の病棟看護師808名を対象に調査を実施し、統計学的に分析した。

〔結果〕618名(回収率76.5%)から回答を得て、有効回答535名を分析した。病棟看護師のほとんどが口腔ケアの重要性を感じ、半数以上が口腔ケアを不十分と自己評価していた。問題解決行動の自己評価が高くなれば、口腔ケアの自己評価が高い傾向にあった。口腔ケアの自己評価に関連がある問題解決行動の下位因子は、《Ⅱ.患者の意向確認》、《Ⅲ.優先順位と患者の要望への対応》、《Ⅶ.個別の援助》といった個別性を示すものであった。口腔ケアが十分できない理由の「時間がない」、「口腔の状態がひどい」、「技術が熟」、「知識不足」と問題解決行動の自己評価との関連を認めた。

〔考察〕口腔ケアの質向上に向けた教育は、口腔ケアという方法だけに着目するのではなく、患者の個別性に応じた口腔ケアの問題解決行動として、教育する必要性が示唆された。

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© 2017 一般社団法人 日本看護学教育学会
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