2017 年 27 巻 1 号 p. 11-23
〔目的〕本研究の目的は、看護学実習中の学生の自己評価を支援する教員の行動を表す概念を創出し、その教員の行動の特徴を考察することである。
〔方法〕研究方法論は看護概念創出法を適用した。参加観察法(非参加型)を用いて、看護学実習中の教員・学生間、教員・学生・臨床指導者あるいはクライエント間の相互行為場面をデータとして収集し、持続比較分析した。
〔結果〕分析の結果は、看護学実習中の学生の自己評価を支援する教員の行動が8概念で表されることを明らかにした。8概念とは、【目標達成度査定と未達成理由明確化のための情報収集】、【学生による目標達成度査定の推進に向けた教授技術活用】、【目標達成度伝達と達成度に応じた学習の改善方法提案】などである。
〔考察〕考察の結果は、看護学実習中の学生の自己評価を支援する教員の行動が〈的確な目標達成度の査定に学生を誘導する〉、〈目標達成度に基づき学習の方向性を提示する〉など、5つの特徴を持つことを示唆した。